陰鉄
陰鉄ぐるぐる

★当サイトは絵や写真が多いのでモニターでの閲覧を推奨しています★



■このサイトについて
■魏無羨復活の流れ
■陰鉄の謎
■親世代 その1
■親世代 その2
■数百年前
■随便が謎すぎる
■符を読もう!
■考察・詰め合わせ1
■考察・詰め合わせ2


魏無羨復活の流れ


魂兮帰来 不下幽都
魂よ、帰ってこい 死者の世界から戻ってこい



舎身呪でよみがえった魏無羨

第1話の内容から儀礼の流れを追ってみました


舎身呪

① 『詠仙楼』で3日間、夷陵老祖・魏無羨の講話をさせる。
② 日食が起こる。
③ 机に置いてあった仙師の霊剣が ”何か” に反応して震えだす。
④ 男が 「魂よ、帰ってこい 死者の世界から戻ってこい」 と旗を持って練り歩く。
⑤ 落ち葉を掻きわけて ”何か” が旗に向かっていく。
⑥ ちぎれた白旗が莫家荘に向かって飛び、莫玄羽の部屋に張りつく。
⑦ 血だまりの中、莫玄羽の魂に名を呼ばれ、魏無羨が目覚める。


① 3日間、夷陵老祖の話をさせたのはどうして?

神様に魏無羨復活の願いを聞いてもらう儀式(做社の儀式)には進行順序があります。
この講談師の話を聞く『唱書』は儀式の後半に行われます。

「中国の呪術 著:松本浩一 アジアぶっくす 大修館書店」から
引用したものを要約して記します。

    做社の儀式
      神々を接待して酒を献じ終わると、卓上に茶が置かれ、
      術師が唱書(語り物)を演じ、神を楽しませ、人を楽しませる。

この唱書を行う前には祭壇に多くの神々を招き、唱書が終われば招いた神々を送り出す(送神)という儀式をするそうです。
神に願いを聞いてもらうため 接待 して機嫌を取ったりするのは面白いです。


②.空が突然暗くなったけれど、あれは日食ですか?

古代、無罪の人が「罪人」として刑務所に収監されていると、天が怒って「日食」を起こすと考えられていました。
その場合は君主が罪人に「恩赦」を与え解放すると、天が災異を鎮めてくれたそうです。

ドラマの日食は、
    1.神に願いが届き、神が 『無実の罪で冥界に落ちた「魏無羨の魂」を釈放せよ』 と命令(日食)した
    2.冥界の王がその命令に従い、魂を開放した
…という ”流れ” を演出したものではないかと思います。


③.剣がブルブルと震えた理由は?

魏無羨の魂の復活に霊剣がざわついたのです♪

④.男が旗を持って街を練り歩いた理由は?

魂をこの旗に憑(と)りつかせるため。

⑤.落ち葉を掻きわけて旗を追いかけてきたものは何?

現世によみがえった魏無羨の魂。

⑥.白旗は何を運んだの?

魏無羨の魂。



⑦.舎身呪で何が起きたの?

乱暴に言えば、「魂の入れ替え」。

「舎身呪」は役者さんの使いまわしを行うために考えられた呪なので分かりにくいです。

もしドラマで献舎を行ったなら、魂は魏無羨でも、体は莫玄羽なので、献舎後は魏無羨の役はシャオジャンさん以外に演じてもらう必要があります。
舎身呪なら、魂は魏無羨、そして体は献舎と同じで莫玄羽だけれど、呪の効果で顔は魏無羨に見えるので舎身呪後でもシャオジャンさんに演じてもらえる。
…というわけです。

つまり皆の目には莫玄羽の顔が魏無羨に見えていることが重要なのです。
そして莫玄羽が自身の命を代償に、”どうして魏無羨をよみがえらせたのか”を視聴者に強く伝えるため、莫玄羽に「遺言」を残させました。
これも大切なことです。

 ▼金光瑶が42話で 「舎身呪は、己の霊識を代償とし重傷者を修復する」 と言っています。

  (舎身呪)是以自己所有的霊認為代価 修復重傷之人 的。

「己」とは呪をおこなう人(莫玄羽)を指します。
「重傷者」とは莫玄羽の体を手に入れた魏無羨です。

出血がひどすぎて意識が戻らないのでは遺言を聞いてもらえないので、「重傷者を修復する」というセリフをつけました。

舎身呪の流れ
 ①腕の切り傷からドクドクと血が噴き出す(死に至る傷を自分でつけたことで舎身呪発動!)
 ②魏無羨の魂が莫玄羽の体に入る
 ③莫玄羽の霊識が魏無羨の傷を治す(止血する)
 ④莫玄羽が魏無羨の意識を呼び起こし、遺言を託して消える(←ここ重要)

  魂は魏無羨
  身体は莫玄羽
  呪の効力で、みんなの眼には魏無羨に見えている

最初に水ガメで顔を洗っていましたが、水に映りこむ顔は魏無羨でした。
呪が発動してしまうと魏無羨であっても莫玄羽の顔は見えないのです。




総括

魏無羨を現世に呼び戻す作業は色々と複雑で面倒です。
魂を冥界から呼び戻すだけでもやることがたくさんです。
日食が起こる日を調べたり、講談師や酔っ払いに払う金も必要。
そもそも莫玄羽が舎身呪を自分から やりたい と思わなければ成立しない件。




魏無羨を復活させたのは誰か?



1.薛洋は死なせてしまった暁星塵を復活させたいと願う。
2.陰虎符を作り出した魏無羨をよみがえらせて手伝わせたいと思う。
3.奇門遁甲に精通する聶懐桑に協力をもちかける。
4.協力の内容は 魏無羨の復活 と 義城まで彼を誘い出す こと。
5.協力の報酬は行方不明中の 赤鋒尊の骸 の場所を教えること。
6.魏無羨の復活が成功する。


総括

最初に動いたのは薛洋です。
聶懐桑は兄を殺したのは金光瑶だと分かっていたし、兄の骸と覇下の行方も気になりましたが聶家に差し迫った問題も起きていなかったため、あえて行動は起こしませんでした。
しかし薛洋が赤鋒尊の骸と覇下の所在をチラつかせてきたので協力することにしたのです。




同じ頃に薛洋は金光瑶とも手を組んでいました。
ちなみに薛洋が金光瑶と本当のところ、いつ手を組んだのかは以下のセリフで分かります

観音廟にて

    魏無羨:不浄世で薛洋と手を組んでいたな
    金光瑶:そうだ
    江澄:潔く認めたな
    金光瑶:こうなっては事実が増えようが減ろうが同じことでは?

魏無羨は赤鋒尊との共情で、金光瑶と薛洋が物陰で密談していたのを 『見た』 ので、不浄世で二人はすでに共謀関係にあると思っています。
しかし金光瑶は「そうだ」と言いながら「事実が減る」と続けています。
これはつまり
    金光瑶:不浄世では手を組んでいない。
    しかし組んだと思ってくれても構わない。
    どうせ何を言っても、今更信じてもらえないだろう。
 という皮肉が含まれていると思います。

その後、具体的にどんな理由で薛洋と接触したのか説明があります。


観音廟にて
    藍曦臣:薛洋との結託は陰虎符を作るためか?
    金光瑶:当時、陰鉄を持つ薛洋は暁星塵を救おうと(していた)
    私と協力し陰虎符を精錬してみたのだ

藍曦臣に対しては誠実であろうとした金光瑶なので、この言葉は本当のことでしょう。
つまり「手を組んだのは、不浄世ではなく、暁星塵が義城で死んだ後」なのです。





薛洋と金光瑶は 拾った陰虎符 と薛洋が持っていた 陰鉄 を使い、再精錬を試し、陰虎符復元を目指しましたが、二人の知識と技量では限界があり、せいぜい純度40%ほどの物しかできませんでした。(たぶん)

そこで薛洋は魏無羨復活のために聶懐桑と手を組むのですが、そのことは金光瑶には黙っていました。

薛洋が魏無羨たちを義城へ誘い出したかったのは暁星塵の遺体がそこに安置してあるためです。
魏無羨が義城にたどり着けば、同時に赤鋒尊の躯も見つかるという仕組みになっていました。

薛洋は自分が魏無羨に信頼されていないことを分かっていたので、魏無羨に拒絶された際に脅す道具として子供たちを用意しました。
つまり子供たちが義城へたどり着くよう猫の死骸を用意したのも薛洋です。(たぶん)


「舎身呪で魏無羨を復活させる」

聶懐桑が魏無羨を復活させた呪師だと思わせるような内容ですが実際は違うと思います。
聶懐桑は奇門遁甲に精通しているので占いや人に妄想を見せる術などを使うことはできるようです。
しかし人をよみがえらせる術はそう簡単ではないです。
では薛洋が考えたのか?
薛洋は陰虎符を復元し魏無羨もその実力を褒めていましたが、しょせん我流で、復元も威力は半分程度。
そして自分で呪を作るほどの力はありません。
オリジナルがなくては復元できないし、たとえば宋嵐に刺した釘も温情が作った物をマネただけだと思います。


「陰虎符の設計図?」

陳情令 魏無羨が紙人形となって芳菲殿に潜入し、赤鋒尊の首の横に置いてあった図面を見て、「陰虎符の設計図か?」と言った時は私も信じてしまいました。

しかし良く見ると陰虎符の設計図にしてはおかしいです。
中国式の星座や聖獣が書き込まれ、方角、暦まで記載されています。
どうみても奇門遁甲などで使うような陣に見えます。
これは 「舎身呪の設計図」 なのではないかと思いました。


金光瑶が「以前、玄羽が金麟台にいた時、夷陵老祖の書き付けを見ていた。記されていたのは邪術ー舎身呪だ」
と証言していました。

やはりこれは「舎身呪の設計図」と思うのが正しいようです。


「聶懐桑が用意したものか?」

陳情令 「舎身呪の設計図」の中心にある黒くて細長い絵。
図を縦にすると、この絵が屠戮玄武を封印していた暗黒剣に似ていることに気がつきます。
ちなみにあの剣は魏無羨が血まみれの手で抱いていましたが、藍忘機も江澄も金子軒にも見えていなかったようです。
第23話の魏無羨と藍忘機の会話が噛み合っていないことからそれが分かります。

あの暗黒剣の形を知っている者は魏無羨と、剣を作って屠戮玄武を封印した抱山散人だけだと思います。
おそらく薛洋が抱山散人に魏無羨を復活させたいので手助けして欲しいと頼んだのでしょう。

舎身呪の陣に暗黒剣が描かれている意味は、魏無羨が屠戮玄武から剣を引き抜いたことを知っているというメッセージ。
そしてこれは魏無羨の魂を召喚するために描いた陣であること。
魏無羨復活の影に抱山散人の助けがあったというのは驚きです。

魏無羨は暁星塵との会話の中で、抱山散人を”始祖”と呼び、暁星塵を”師叔”と呼んでいました。
そのことを暁星塵が宋嵐の目を治してもらうために夷陵に行った際、抱山散人に話したことは考えられるので、魏無羨のために「舎身呪の設計図」を考えてくれたことは大いにあり得ると思います。


「おまけ:近くに置いてあった赤鋒尊の首について」

棚にあった首がその後どうなったか…ですが、外の騒ぎに気づいて金光瑶は生首+土地の権利書+「舎身呪の設計図」を一緒にどこかへ隠したと思います。
しかし…推測ですがあの暗黒剣は陰鉄を含んだ墨で描かれていると思われるので、陰鉄探知機である「玄鉄の扇子」で、すぐに場所を特定できたと思います。
そう、聶懐桑が後日ゆっくり探し出し、持ち出したのだと思います。




ホーム