遊戯王の謎−古代エジプト人の生活

馬・牛




雑談板で話題沸騰だった「騎馬する王様」についてまとめてみました。
それと「魂の器−聖牛アピス」も参考までに載せてみました!








■古代エジプトでの騎馬について■







原作やEDの中に「颯爽と馬を駆るファラオ」というシーンがありました。
これは史実的にはどうなのだろう…ということで調べてみました。
なお、これらは新王国時代…第18王朝の頃と仮定して書きました。


王様や神官が直接、馬に乗ったか否か…についてですが、高貴な身分という点から考えるなら、「乗らなかった」と言えます。
ファラオの場合、戦場に出かけていく場合は2頭か4頭立の「戦車」に乗って出陣するので、裸馬に乗って砂漠を疾走するのは、負け戦のようで、きっと好まれなかったと思います。

神官は戦士ではないので、これまた戦車や馬に乗ることはなかったと思います。
乗るなら漫画でも登場した「輿」か牛車くらいだと思います


日常的にはどうだったか? という疑問も浮かびますが、ファラオが外出するのは戦場、狩り場、神殿に行く程度だと思うので、その場合も神官と同じように輿とか船または牛車を使用したと思います。


    ただ馬を操るための馬具としての「轡(くつわ)と手綱」は、古代エジプト以前より使われていたし、同じ時代のメソポタミアでは、乗馬する兵士の姿が彫刻などに見られるので、裸馬に轡と手綱だけをつけ馬をあやつる技術はエジプトにも伝わっていたと思います。
    実際、馬を管理する職業の者が馬にまたがっている石像なども出土しています。
    高橋先生もその点はちゃんとご存知で、漫画の中では轡と手綱だけで馬を操っています。(馬に噛ませる噛(はみ)がなく、口の回りを轡(皮ヒモ)で結んである)

    しかし馬具といっても「鐙(あぶみ)(足をひっかけるトコロ)」などはまだ開発されていないので、馬を操縦するのはもっぱら手綱の”引き”と足のみとなります。

漫画やアニメでは体格の良いサラブレッドのような馬が登場しますが、当時のエジプトにいた馬は本当の馬ではなく、『驢馬(ろば)』(正式にはアフリカノロバ)です。
体格も私たちが想像するよりずっと小さいようです。
ロバは頑固な気質なので、レベッカのビリーのように外で待っていたり、うなずいてくれたり…なんてことはないと思います。


    王様が生足で馬に乗ることで、皮膚がズル剥(む)けになるんじゃないかという質問がありました。
    私は子供が鞍(くら)などつけず、馬にひょいひょいと乗っている姿を見たことがありますが、慣れるとフトモモを擦ったりはしないようです。
    王様の場合、体重がとても軽そうなので、身体が受ける衝撃も少ないと思います。
    まぁ股間が布一枚しか覆われていないので、そこがどんな感じになるかは分かりませんが、生きている馬の皮膚は湿っていて、わりと柔らかいので、擦れて血だらけになることはないと思います。


当時、馬よりラクダの方が移動に使われていたので、砂漠っぽさを出すならラクダだと思いますが、ヒトコブラクダに乗って盗賊王を追う王様では絵にならないので、馬を使うのもご愛敬ですね。






■古代エジプトの『牛』について■



←アピス(apis)聖なる牛


古代エジプト人たちは、牛の角の形が 『三日月』 に似ているので、月が持つ「植物の成長を助けるチカラ」を牛も同じように持っていると信じ、『豊作の神』として牛を神聖視してきました。





もともと牛は土を耕す仕事をしたり、乳からチーズも作れるので、生活に欠かせない牛を古代エジプト人は大切にしてきました。



アピスについて

    『アピス』とは神の魂を宿した牛につけられる呼び名ですが、オスとメスでは宿す神様がそれぞれ違っていました。

    アピスがオス牛の場合冥界の王、オシリスの魂
    アピスがメス牛の場合オシリスの妹で妻のイシスの魂


どんな牛でも 『アピス』 になれるわけではありません。

その条件は…
    一度出産した後、再び受胎することができないメス牛から生まれた子牛

    メス牛が天からの光を浴び、この光によって受胎し生まれた子牛が 『アピス』 となる


お父さん牛がいないのに、子牛が生まれるのは変ですよね(^_^;)。
『アピス』 は聖牛なので古代の人はその存在に純潔さを加えたいと思ったのかもしれません。







アピスの一生

    アピスは聖牛として大切に育てられますが、オシリスの魂を宿す「オス牛」はちょっと可哀想な最後を迎えます。
    以下、【動物と人間の歴史】から引用させていただきますm(_ _)mペコリ


    アピスとして選ばれた牛は、崇拝の対象となり、金銀宝石で飾られた神殿に飼われ、神殿の仲の庭園を歩き、特選の穀物を与えられ、香水入りの風呂で洗われ、25年間贅沢に暮らしてから、ナイル川の河畔で溺死させられた。


    オシリスの魂は、古くなった牛の身体の中に住むことはできないと信じられたからです。
    この最後の儀式では、神官たちは自分たちの胸を叩いて悲しんだ、という。

    こうして、神官たちはまた「オシリスの魂の新しい器」を探しに出かけるのだった。







以前、雑談板で王様が生まれ変わるなら何になるだろう…という話になった時、私が『牛』と言ったのは、これがネタです…(*^_^*)
王様のキャラには「オシリス神」も入っていると思われるので、古代エジプト人が、「オシリス神は牛の中によみがえる!」と信じていたなら、王様も牛の中によみがえるという設定もありえるかなぁ…と(^_^;)

まぁ…選ばれた牛の最後は溺死なので、ちょっと可哀相ですけどね。







参考文献:
    動物と人間の歴史−江口保暢「築地書館」
    ここに書いてある文章はすべてこの本からの受け売りなので、興味のある方は読んで見てください(^_^)v。






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