| 遊戯王の謎−オシリス神話から見る遊戯王 | |
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エジプトの神々は地域によって少しずつ違っています。 オシリス神話として私たちが知っている物語はヘリオポリスに伝わっているものです。 ここでは主人公たちと名前の由来になった神々の関係を簡単な図に表わしてみました。 |
オシリス神話の主人公たちは、大地の神ゲブと天空の女神ヌトから生まれました。 それぞれの名は生まれた順に「オシリス」「イシス」「セト」「ネフティス」といいます。 やがて、オシリスはイシスと、セトはネフティスと結婚しました。 そして長子であるオシリスがエジプトの国を治めることになりました。 オシリスは妻イシスや知恵の神トトの助けを得て、遊牧生活をおくっていた人間に農耕を教えて定住させ、また神を敬うこと、社会秩序を守ることを教えました。 オシリスは人々に尊敬され、エジプト国民とともに幸福に暮らしていましたが、王になることを目論んだ弟神のセトはオシリスを謀殺するための策略を実行しました。 それは宴席でのこと。美しい箱を用意し、セト神は宴席に集まった人々にこう呼びかけました。 「この箱にぴったりと収まった人にこの箱を差し上げよう!」 (この箱はもともとオシリス神の身体にぴったり合うように作られていました。) 来客は次々と試してみますが、誰もぴったり合う者がいませんでした。 冗談にオシリス神が入ってみると、ぴたりと身体が収まりました。 その時です、蔭に隠れていたセト神の手下が箱に近寄り、あっという間に箱に蓋をし、そのままナイルの河口から海へと流してしまったのです。 知らせを聞いたイシス女神はオシリスを探すため、旅に出ました。 そして箱がビブロスの浜に打ち上げられたことを知り、その地を訪れましたが、すでに箱はヒースの大木に包み込まれたまま王宮の柱になっていたのです。 王宮の柱から箱を取り出すため、イシス女神は王子の乳母として王宮に入り、魔法で箱を取り出し、オシリス神の遺体を取り戻すことができました。 そしてその遺体を蘇生させ、オシリス神は復活することができました。 しかし再びセト神に発見され、今度はオシリス神の身体は14個に切り刻まれ、エジプト各地にばらまかれてしまいました。 イシス女神はバラバラにされた身体を妹神のネフティスをはじめ、鳥や動物の助けも得て根気よく集めたのですが、陰部だけは魚に食べられて見つからなかったそうです。 今度も蘇生術は成功したのですが、オシリス神は地上に戻らず、冥界に旅だってしまいました。 地下の国で使者たちの王となったのです。 イシス女神はこの時ホルス神を身ごもりました。
遺体と交わったという説もあります。または交感して受胎した…神聖受胎説などもあります。 物語ではこのホルスの出生について裁判になり、トト神が冥界にいるオシリスに手紙を出し「ホルスに正当な権利がある」という返事をもらったという話しもあります。 成長したホルス神はやがてセト神と戦いを始めます。 激しい戦いの最中、ホルス神は、左目を失いますが、トト神がその傷を元通りに完治させました。 最後にはカバに変身したセト神を銛で突き殺し、亡き父の仇を討ち、王となったそうです。 オシリス神 太古には穀物神であったことから、毎年の播種から収穫までをつかさどる生命復活の神として、また死者に来世で永遠の命を保証する冥界の王として信仰されるようになりました。 ■2度もセト神に殺されるのは、いかがなものかと思いますが、この経緯によって、死んだ王はオシリスとなって復活すると信じられるようになったのです。 ■ちなみにオシリスの天空竜は赤い体ですが、オシリス神は穀物神だったので、壁画には「顔は植物の緑色、または肥えた土の色である黒色」で彩色されていました。 黒いオシリスの天空竜もイイかなとおもいますねぇ。(ブラックドラゴン好き) ■棺にむりやり押し込められる…封印されるといった流れで、オシリスは「闇遊戯」のイメージが強いです。 セト神 セト神は砂漠で生まれた神と信じられ、自然の荒々しさ、たとえば暴風雨や稲妻など創造的破壊神という役割だったようです。 またセト神の本当の姿に匹敵する実在の動物は見つからず、今のところ架空の動物とされています。 オシリス神話のなかでは、悪者でも、神話の世界から離れると「力において秀でた者」とよばれ、古王国時代には篤く慕われていたようです。 ■自分が王位につきたいがために、兄神であるオシリスを謀略により殺害したひどい弟。 ここには書きませんが、とことん性格悪く、勝つためには手段を選ばない神様だったようです。 最後はカバに化けたところをホルスに銛で突かれて殺される…、ちょっと間抜けな最後です。 ■己の欲望を満たすためには手を汚すこともいとわず、前進!前進!なところは社長を彷彿とさせますね。 イシス女神 オシリス神の妻であり、妹であり、ホルス神の母でもあります。 死者またはミイラの守護神、玉座の守護神として信仰されていました。 また豊穣の女神としても崇められていました。 ■オシリスの遺体を探し、復活させ、またバラバラにされると、また国中を駆け回り、復活させ、いつの間にか死んだ亭主との間に子供まで作ってしまう……、おそるべし女神。 ■イシスという名…。遊戯王には関連のある女性が2人出てきます。一人は「イシズ・イシュタール」、そしてもうひとりは「シズカ・カワイ(川井静香)」 「イシス=イシズ=シズカ」似てますよね。 やはり二人ともイシス女神から名前をとっているのかなと思います。 するってーと、闇遊戯のお后の「イシス女神」は静香なのかな…。 でも、名前がダブるって不思議ですよね。そこになにか特別な意図があるんでしょうか。 ネフティス女神 名前の意味は「城の女主人」であり、その文字を頭にいただいた女性の姿であらわされます。 またカノプス壺を守護する四柱神のなかの一人となっています。 他の兄弟姉妹は皆、特定の信仰地を持っているのですが、ネフティス女神だけはそのような信仰地はありませんでした。
その結果生まれたのがアヌビス神です。しかしネフティス女神は、セト神の怒りを恐れ、苦労して得た子供を捨ててしまいました。 オシリス神がセト神によって殺され、遺体をばらまかれると、彼女はイシスと共に遺体探しの旅に出ます。その途中、ネフティスはイシスにオシリスとの間にできた子を捨てたと告げます。 やがてイシスは、捨て子「アヌビス」と出会い、彼を養子にして育てることになります。 ■はぁ、なんとも悲しい女神です。一途にオシリス神を思うあまり、イシスに化けるなんて…。 城之内のところで紹介した一文ですが…、
われは,イシスとともに,オシリスのために泣くもの オシリスが死んで嘆き悲しんだのは、ネフティスも同じだったんですね。 この言葉、心の奥でそっとつぶやいている感じがして、好きですね。 ■生まれたアヌビス神をイシスが育てることになったいきさつを見ると、ネフティスはセト神から逃れることは出来なかったのでしょうか。 セト神が死んで彼女はどうなったのでしょう。 ■個人的な考えとして、愛するオシリスのいる冥界へ行き、イシスが地上でホルスを王位につけるために奔走しているスキにオシリスとシッポリ…なんて妄想してます。 ホルス神 ハヤブサまたはハヤブサの頭をもった男性の天空神です。 オシリス神話では父オシリスを殺した叔父セトと戦い、復讐をはたします。 この神の名の意味は「遠方にいるもの」あるいは「上にいるもの」で、エジプト神話の中では「美男の英雄」として知られています。 ホルス神は王権の守護神、王はホルス神の化身として信じられるようになりました。 ■闇遊戯の額に時々現れる「眼」は「ホルスの完全なる眼」をモデルにしていると思われます。 この眼はセト神との戦いに勝ったホルス神が片目を負傷し、それをトト神が癒し、「完全なもの」になったと信じられたことから、幸福、繁栄の象徴として、護符や装身具の意匠として好んで用いられるようになりました。 アヌビス(Anubis) ジャッカルの頭に人間の身体を持つ古代エジプトの死者の神。 オシリス神話の中では、セト神によってばらばらにされたオシリスの身体を復元し、防腐処置を行い、エジプトで最初にミイラを作った神とされています。 ミイラ作りにたずさわった神官はこのアヌビスの面をかぶり、墓に納める前のミイラに来世でも口がつかえるように「口開けの儀式」を行いました。 人間の死後の裁判を行うオシリスの法廷では、死者から心臓を受け取り、それを「真理の秤」に載せて計量する役目を持っており、死者が天国で再生できるかどうかを決定する重要な神でもありました。 トト神 トキやトキの頭をもった姿をしていて、月の神として古くから信仰を集めていました。 月の満ち欠けから年月をつかさどる神、時間の神とされてました。 また、冥界にあってオシリスの守護神ともされました。 そのほかに文字を発明した神と信じられ、書記の守護神でもありました。 トト神はセト神との戦いで片目を負傷したホルスの眼を癒したという話があります。 またホルスの王位継承権を証明するため、オシリスに書簡を出したのも、トト神でした。 ヌト女神 エジプト神話の天空の女神で、その姿はアーチ状に大地を覆う形で表わされています。 なぜこの女神が大地を覆う形になったのかというと、ラーの願いに反して兄と結婚するとラーは激怒のあまり、大気の神シュウ(二人の父親)に命じて、2人を引き裂こうとしました。 シュウがヌトを押し上げると空ができ、ゲブを押し下げると大地ができました。 この話から、ヌト女神は身体を弓なりに曲げて、大地を覆う姿になったそうです
私の考えでは「ヌト」→武藤になったのではないかと思っています。 |