遊戯王の謎−単独コーナー編

古代の香り



遊戯王の原作も古代エジプト編に突入し、ますます目が離せない状況になっています。
エジプト…それも三千年前の世界が舞台となっては、想像力を総動員しても色々と謎の部分が多いです。
特に私が気になるのは 『香り』

今回は王様が活躍した、新王国時代に限定して『香り』を紹介したいと思います。
これから紹介する『香り』はすべて入手可能!、体験OK!となっています。
興味のある方、是非試してみてください(^_^)/




『香り』


■父王「アクナムカノン王」のミイラを抱く王様

このシーンではどんな『香り』が王様の鼻をくすぐっていたのでしょうか?


今回、『香り』をテーマにしようと思ったのは、このシーンがキッカケでした。
この後、王様は 「正義は神の名のもとにある…」 という父王の言葉を思い出す(聞く)のですが、私はこの時、 『香り』 が王様の記憶を覚醒させたと思い込んでしまいました。
後で読み返すと千年パズルのいたずらだということがわかり、ちょっとガッカリしました。(^_^;)


参照図では分かりにくいですが、父王のミイラは盗賊王バクラによって、亜麻布は解かれ、遺体の一部が露出しています。
この状態だと腹腔内に詰められた香料の匂いさえも感じられるかもしれません。


視覚、聴覚の感覚は印象の薄まりやすい、短期記憶なのですが、匂いに関してはすべてが長期記憶となるそうです。
そしてその感覚の鋭さは肌の色が濃いほど敏感になるんだそうです。
つまり「ジャパニ・王様」より、「エジプシャン・ファラオ」の方が催淫剤で落としやすいということですね(^_^)v







★ 王様を包む『香り』−ミイラ編

    ◆簡単に紹介!  ミイラをつくる方法


    ミイラは、遺体を永遠に保存する目的で作られたため、色々と面倒な処置をしなければなりませんでした。



      取りだした内臓は「カノポス(カノーポス)壺」に保管され、一緒に埋葬されました。
      でもこれは王族や高級貴族の場合で、お金のない人は、お尻から油を注ぎ込み、内臓を溶かし出す場合もありました。


         セト神官の矛盾

          盗賊王に言った言葉

            「貴様の心臓を収めるカノーポスの壺は多少サイズの大きいものを用意してやる」


          矛盾1=ミイラにする時、心臓は体内に残しておくので、壺には入れない!
          矛盾2=泥棒の遺体は砂漠に捨てられるか、ワニの餌になるのがせいぜいで、わざわざミイラにしない





    ◆ミイラから立ち上る『香り』…樹脂って何!?


    ◆ミイラ製造に使われたと思われる「樹脂」の代表格は以下の2種類です。

      紹介している、「ミルラ」「乳香」は、アロマオイルブームのお陰で、デパートなどで簡単に入手することができます。(金額は高めですけど…(^_^;))



    ミルラ(没薬−もつやく)

    ミイラの語源にもなった樹脂。
    潅木の幹からとれる油性、ゴム質の樹脂です。

    使い方はこのまま炭火で焼いて、香として楽しんだり、お湯にいれてオイルを抽出し、肌に塗ったりするそうです。
    フランキンセス(乳香にゅうこう)(Frank incense)またはオリバナム(olibanum)

    幹に傷をつけると、写真のように白いお乳がしみ出てきます。
    これを乾燥させると、黄色い樹脂になります。

    使用方法はミルラと同様です。



      どんな『香り』かを説明するのは難しいのですが、現在の私達が知っている「良い香り・すがすがしくなる香り」とはちょっと違います。
      どちらかというと、「ホコリくさく、ツンとくる、野性的な香り」かな…。
      当時は花の香りより、樹脂の持つ独特な癖のある香りが好まれたそうです。
      もちろん、上記の樹脂はミイラの防腐剤・防菌剤として使う以外にも、傷や喉の痛みなどに効果のある薬としても用いられました。


       オイルを購入された方は、2種類を混ぜ合わせ、ちょっとお湯に垂らして嗅いでみてください。
      アクナムカノン王を抱く王様が嗅いだであろう香りがするはずです。
      成分は微妙に違いますけど…それは許して欲しいです(^_^;)



      その他、神殿内では、朝は日の出と共にフランキンセンス(乳香)、正午にはミルラ(没薬)が焚かれ、日の沈む時にはキフィと呼ばれる16種類(カラムス、ジュニパー、シナモン、カシアなど)の香りをブレンドした香料を盛大に焚いて、神にご奉仕したそうです。





★ 王様を包む『香り』−家具編

    ◆あの謎の玉座を徹底解明!!


     これが王様の玉座です。
    立派です。さすが神であるファラオが座する聖なる椅子という感じですね。
    大きな背もたれの上部に『日輪』を据え、ひじかけには『ライオン』をあしらってあります。

    デザインの出所は『ツタンカーメン王墓』から出土した「黄金の玉座」あたりではないでしょうか。
    ひじかけのライオン像がよく似ています。

    「黄金の玉座」は木製の椅子に金メッキが施されていました。
    王様の玉座も金色ピカピカ★だったと想像していただけるとイイかもしれません。







      古代エジプトで使われる椅子の背もたれは、右図のような腰までの高さが一般的だったようです。
      王様が腰掛けているような3m近い(笑)、巨大な背もたれの玉座が存在したのか調べてみましたが、ありませんでした…(^_^;)。

      「ツタンカーメンの玉座」には足を置くための台が付いています。神に等しいファラオは一般人と同じ高さに足を置かない…ということなんでしょうね。
      図のトキ神も床に足を置いていません。

      原作をよく見ると、ちゃんと王様の玉座は一段高くなっています。
      隣に立つシモンは、王様より低いトコロに立っているのです。
      おそらくセトでさえ、ここまで登ることは許されていないんじゃないかな…




    ◆玉座の『香り』


     王様の玉座…それは古代エジプトでの「最高級家具材」である「レバノン杉」で作られていたことは間違いないでしょう。

    写真は東京都立林試の森公園(林業試験場)に植わっているレバノン杉です。
    実際に見てきました(^_^)v
    葉の匂いを嗅ぐと、甘〜い『香り』がします。
    杉の香りというとお墓で使われる線香を思い出す方もいるかと思いますが、あの『香り』より数倍、艶のある香りがします。


     レバノン杉の特徴

      ◆育ちがまっすぐで、歪みが少ない。
      ◆材に香気がある。
      ◆虫をよせつけない。
      ◆とにかく丈夫!
      ◆木目が細かいので水が浸透しにくく、船の建材としても重宝した!
           写真はギザのピラミッド横から出土した『太陽の船』
           釘を使わず、すべてレバノン杉でできています
      ◆木部を蒸留することで、香気のあるオイルが取れる。
      ◆葉も焚いて使用した。



     レバノン杉で作られた椅子に座る王様…本来なら甘〜い香りに包まれ、癒されながらのご政務となります。
    レバノン杉のオイルはリラクゼーション効果が高く、呼吸が楽になるんだそうです。

    ファラオの家具はどれもレバノン杉で造られていると思います。もちろん、ベッドもね…(*^_^*)



     『レバノン杉の葉』には花言葉があります。

      『君のために生きる』です。いやぁ〜(/o\)恥ずかしいぃぃ〜。
      見た目は涼しげなのに、流れる血はドクドクとたぎっているんですねぇ(*^_^*)


    また、レバノン杉は「幸運の木」とも言われています。
    他には神聖な木として尊ばれていたため「死者からの生命」という別名もあります。


    ◆おまけのヒトコト

      レバノンにあるレバノン杉は世界遺産に登録されていますが、現在、1200本しか残っていません。
      人間による伐採が衰退の原因です。(T_T)
      しかしレバノン杉のお陰で人類の文化繁栄があったことも事実…。
      昔の人を一方的に責めることはできません…(-_-;)。

      「林試の森公園」でレバノン杉の木っ端を拾ってきました。鼻を近づけると、ちょっと酸味のある香りがします。
      固くて石でこすったくらいでは傷がつきません。
      当時はどうやってこんな固い木材を加工したのかなぁ〜って不思議に思いました。




★ その他の『香り』−ショッピングガイド



     上記に紹介した以外にも買える『香り』があります。



    ゲラン/GUERLAIN

    パリュール/PARURE (F)

    ツタンカーメン王墓の財宝や香りのイメージを再現したという香水

    商品説明によると、シプレノート=苔の香り系だそうです(^_^;)。
    甘さ控えめということなので、大人の印象を与えるらしい…。
    30mlで6000円くらい?

    これをつければ、あなたも盗賊王気分が味わえます(笑)







参考文献
    「感覚」の博物誌−ダイアン・アッカーマン−河出書房新書
    古代エジプト−ジョヴァンニ・カセッリ監修−ニュートンムック
    その他、いろいろ…。



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