遊戯王の謎−時代衣装

エジプト編衣装



新章が始まり、彼らの衣装が気になる今日この頃、画像資料も増えたので、一気に紹介したいと思います。

エジプト編はゲーム(真DM−封印されし記憶)、アニメ、原作によって微妙な違いがあります。
考察する者にとっては面倒この上ないのですが、ちまちまと調べてみました。

王 様 ★  アニメ&ゲーム&原作
神官セト  アニメ&ゲーム&原作
アクセサリー  原作



アニメの衣装−王様編

     アニメの衣装は2種類あります。

      王様がエジプト衣装で登場した放映データは以下の通りです。

        第52話  2001年4月28日  失われた王の記憶
        第119話  2002年8月19日  海馬家の闇
        第134話  2002年11月19日  憎しみを撃て!ブラックパラディン




 初期の王様は上半身は裸!(/o\)でした。
個人的には裸の方がエジプト衣装っぽくて好きです。

幅広の帯は、金糸でライン状の刺繍がされた、ちょっとおしゃれなデザイン。
そして印象的な赤いマント(笑)。

 この白い腰巻き、正式名はソーシュ (soush:またはシュンティ(schenti)) と言います。
現在の衣装用語では「ロイン・クロス」と呼びます。
(一般的なスカートとは別の形態として区別されています)
腰巻きタイプなので、ほどくと一枚の布になります。
美しいヒダが出るように身につけるのがおしゃれです。

素材はリネン(亜麻)で、新王国時代には白いリネンを王族や神官も愛用していました。
もちろん 透けるような薄さ が特徴です(^_^)v

 真っ赤なマント
新王国時代のファラオが、このように 「ド派手で真っ赤なケープ」 をまとっていたかは、はっきり記録に残っていません。

でも白くて、たっぷりと生地を使ったケープを身につけることがあったのは事実です。
女性も肩に小さなケープを身につけることがありました。




バトルシティ編での衣装は図の通り、美肌を隠した非常に残念なデザインとなっています(笑)。

この上衣、アニメの映像が暗くてどんな色に染めてあるのか分かりません。
見た感じ『黒っぽい』のですが…。
でも黒ではオカシイので、『限りなく黒に近い藍色』かな…と思います。






ゲームの衣装

ゲームの王様は 「素肌の露出は腕だけ」 …です。 少々ものたりないです〜。

黒地に赤い刺繍(?) のウジャトの目が印象的。

長めの前垂(まえたれ)のデザインはどちらかというと地味。

白いリネンをモンペ (ズボン) 風に縫い合わせ、行動しやすいスタイルとなってます。

紫色のたっぷりとしてケープもファラオらしいかな…。

 変なトコロ

    ●黒い上衣
    当時のエジプトでは、白いリネン(亜麻布) を身につけることが一般的で、このように王族が黒い外衣を重ね着することはなかったと思います。 (ちなみに資料によると、完全な黒を染色できるようになったのは、十三世紀も末のヨーロッパにおいてです)

    ●モンペ (ズボン)
    なぜモンペなのか…。当時のエジプトではモンペを着用する人はいませんでした。
    近隣諸国ではペルシャ人が紀元前6C頃にズボンを着用していたそうですが、熱い国ではメリットがないので、地中海の他諸国でもズボンを身につける人々は現れませんでした。

     王様が着ている上衣はカラシリス(karasiris)と呼ばれる、ポンチョ(貫頭衣)のようなモノです。
    本来はゆったりとしたデザインで、脇腹部分が縫ってあるモノと、あいたままのモノがあったそうです。

     絵で見ると、前掛けのような前垂は上衣つくのではなく、帯に挟み込んであると理解した方がエジプト風です。

     なぜ、マントの片はじが手前にのびていて、赤い刺繍のトコロに縫い込まれているのか…?
    これはちょっと変な気がします。





原作の衣装

新章の表紙が、ありがたいコトにカラーだったので、着衣が白、マントが青紫というコトがわかります。

全身画を見ると前垂れがありますが、残念ながらこの色は分かりません。

 王様のミニスカ…いいですよねぇ。
上記にも書いたように上半身裸の方が当時の衣装という感じがしますが、薄く透ける素材という点を考えれば、そっちの方がエッチィ度アップかもしれませんね。



装身具に関しては次の『エジプト編装身具』にまとめまておきました。




アニメの衣装−神官セト編





初期のセト様も上半身は裸!(/o\)。

大きなタマネギ帽子、とても似合ってますよね。
飾り線は金糸で刺繍されているんだと思いますが、ヘタッと帽子がならないように、中にオガクズでも詰めてあるのか、それとも贅沢にワタでも詰めてあるのか…気になるところです。

 ケープのようなマント…。リネン素材か、それとも綿布なのか…気になるところですねぇ。
見たトコロ綺麗なシワが出ているので、綿かな…と思いますが、かなり白いので何度も天日に晒(さら)して漂白されているようです。

この当時は胸にアンクを下げてます。
この段階ではまだ千年ロッドの設定がなかったのでしょうかねぇ…?





バトルシティ編での衣装は次に出てくる 『ゲーム編』 とよく似ています。

 深めに被った帽子…その中身はツルッパゲなのか!?

この服、チャイナドレスほどの丈があり、なんとスリットも入ってます(笑)
当然、セト様の生足が拝めます。

膝下にゲートルのようなモノが巻かれています。テレビだと白っぽいのですが、原作に照らし合わせて考えるなら『金色の金属』かもしれません。






ゲームの衣装


★ゲーム衣装
ゲームに登場する衣装は 『バトルシティ編』 に似ていますが、帽子に巨大な貴石がついているトコロが大きく違っています。

 この緑の石…おそらく『マラカイト』じゃないかと思います。通称は『孔雀石』とも呼ばれています。
縞のある銅を含む緑色のマラカイトは、昔から『邪眼を防ぐ』といわれた石です。
また古代エジプト人はこの石をつぶしてアイシャドウとして使っていました。

 ゲーム版では『神官に髪の毛』がありました。
★アニメ版

神獣(?)の頭が
へばりついている、
超派手な飾り!





原作の衣装

ナイスバディの神官セト様…タメイキでます。
上衣の色はおそらく紫でしょうね。鋭角的なデザインの帽子も紫だと思います。
下衣は白でこれもリネン等の素材でしょう。

 帽子についている蛇(?)の飾りについて

セト様の頭飾りは蛇(コブラ)となってます。このコブラが鎌首を持ち上げている姿を表した冠を 『ウレウス』 といいます。
ちなみにこのウレウスは「王家の守護神」というコトなんですけどね…。

古代エジプト最後の女王 『クレオパトラ』…彼女が自らの死を選んだのは有名ですよね。
資料によると、アスピスという名のコブラに胸を噛ませ、その毒で死んでいったのですが、彼女の死に装束がセトさんと良く似ているんですよね。

    ……紫の王衣に包まれ、ウレウスの黄金の冠を被り……





染料について



古代に使われていた染料をちょっと紹介します。
色々調べてみましたが、あまり古代の染料…特にエジプト時代に関しての資料は少なかったです(T_T)


紫色

    神官セトの美貌をより際だたせる紫色…この美しい色を生み出す原料は地中海に生息する小さな貝たちです。

    主な貝の種類
      アクキ貝科シリアツブリボラ (Merex brandaris) やツロツブリボラ(M. trunculus)

      その他にも世界中に300種類以上あるといわれています。


    その起源
      紀元前1600年頃、地中海で栄えた古代フェニキアが起源と言われています。
      またこの染料はフェニキアの主要な特産品でもありました。


    染料の取り出し方
      貝を割り、その内臓からパープル腺にある『ジブロムインディゴ』を取り出します。
      このちょっと粘っこい体液は空気にさらされるとすぐに発色をはじめます。


    その希少価値
      わずか1gの染料を採るために2千個もの貝を必要とします(^_^;)。とっても貴重な染料なんですねぇ。
      ローマ時代の頃の貝だと一粒で20センチ四方の布を染めることができたそうです。


    染め方
      おそらく初期の頃は貝の分泌液を直接布にすりつけ、日光にあてていたのでしょう。
      その後、色の調整やにおいの消臭などにも工夫が生まれたようです。
      この分泌液、かなり匂いがきつく、ちゃんと処理をしないと、染まってからもイヤ〜ンな匂いが持続するそうです。


    なぜ希少価値が高まったか
      貝紫は一度染めたら色落ちしない、そして呪術に用いられたからだそうです。
      この貝紫で染められた色は『帝王紫』と呼ばれ、ローマ時代には、シーザーが貝紫を着る権利を独占し、以降貝紫は皇帝の色となったり、中世では、皇帝だけでなく聖職者の高位にあるものが着用するようになったりしたそうです。


     なぜセト様は紫を愛でるのか…

      まず私は『神官セト=ミノア人(一族がクレタ島出身)』説をしつこく主張し、また信じています(笑)。
      だから神官セトが紫を愛でるのは「ミノア人としての好み」がにじみ出てしまった結果だと思ってます。

      この貝紫は、地中海の人々にとっては憧れの色であり、神より賜った色として美を象徴する色となっていました。特にクレタ島のミノア人はその神殿の柱さえ貝紫で染めていたと言われています。

      そんなわけで、セト様は紫が大好きなんじゃないかなぁ〜と思うわけです。

赤色

    『紅花』
      紅花の原産国はエジプトと言われています。
      紅花の花びらには赤と黄の色素が混在しているため、まず何度も水洗いをして水に溶けやすい黄色の色素を洗い流し、その後、ワラを燃やした灰の灰汁(アルカリ性の水)で赤色を抽出して染料液を作っていました。
      読んでいるだけでも手間のかかる染料であることがわかりますねぇ(^_^;)。
      これだけ手間をかけても取れる染液は少量だったそうです。

      手間がかかった分だけ長持ちすればいいのですが、紅花の色素は褪色しやすいそうです。

      その他、西洋茜(あかね)もありますが、古代エジプトでは紅花の方が主流だったかも…(いい加減でスミマセンm(_ _)m)。

青色
    原作の王様がカッチョ良くなびかせている『青マント』…藍色がとってもキレイですよね。
    よく見ると紫に近いですが、とりあえず「藍」ということで説明します(^_^;)
    エジプトにも古くから藍はありました。
    藍の種子は解熱、解毒に用いられたり、藍自体も抗菌作用があるそうです。

    貝紫が手に入らない場合、藍に茜を混ぜて紫色を作り出したそうです。




参考文献:
    西洋服飾史−菅原珠子&佐々井啓−朝倉書店
    ファッションの歴史−千村典生−平凡社
    蘇った古代文明の色−西山和恆−文芸社
    染と織の鑑賞基礎知識−小笠原小枝−至文堂



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