世界遺産−ターヌム岩絵(Rock Carvings in Tanum)



    スウェーデンの世界遺産です。
    ここも北欧を代表する岩絵です。
    描かれた時代は「青銅器時代」で、紀元前1800年から前600年ころに彫られたようです。
    ノルウェーのアルタよりかなり南にありますが、絵の雰囲気、描き方など、とても良く似ています。

    あまりに行きにくいため地球の歩き方に掲載されていない秘境です。
    車の人は簡単に観光出来ますが、足だけが頼りの人は根性あるのみです。
    足をひたすら前に出して、歩き続けましょう。

    ここへの行き方は小冊子に書きました。


    【関係サイト】
    ターヌム観光局
    上の方の博物館erslos/
    vitlycke museum


博物館紹介−UNDERSLOS MUSEUM 方面

「Fossum」と呼ばれる岩絵です。
道路からみると、こんな感じになっています。
岩の近くには案内板があり、その岩の見所を教えてくれます。 まずはざっと岩絵を紹介します。
つるんとした岩肌にミッチリと描かれています。
船の上で斧を交差させる人物絵です。
何かの儀式なのでしょうか。
斧だけじゃなく腰には剣も差しています。
犬を連れた男たちが描かれています。
他の絵より大きく描かれているので、この絵が重要な意味を持っていることが分かります。
太陽のような円に色んな物がニョキニョキと生えています。
他の地域では見られないターヌム独自のデザインで、いろんな解釈を与えられています。
私は「太陽からすべてが生まれる」という意味を込めているんじゃないかと思っています。
寒さが厳しい北欧では太陽の暖かさが唯一の救いだからです。
昔の人は石の絵を使って神話や教えを伝えていっただろうと思います。
独特な鎧をまとった兵士のような男が描かれています。
大きく描かれているので、強そうに見えます。
ターヌム岩絵の特徴は「ふくらはぎが太い」です。
当時の男性はみんな太かったんでしょうか。
中央に棒で地面を叩きながら、腰をかがめて踊る男達がいます。
これも何かの儀式をあらわしていると思います。
じっと見ていると音楽が聞こえてきそうです。
この時代はフルートなどもあったので、きっとにぎやかだったでしょうね。
次の石へ移動中です。
こうやって見ると、石の大きさが感じられます。
遊歩道は整備されていますが、水が滲み出て木の歩道を濡らしています。
岩も染み出た水で濡れるので、場所によっては緑の苔におおわれている場所もあります。
第二石の図柄です。
ここは小さなモノがいくつか描かれていました。
ヒョロッとした船が描かれています。
まん丸の穴です。
ピンポン玉くらいの大きさですが、ほぼ真球です。
昔の人が一生懸命に形を整えたのだなぁ〜と思うと、こういうモノでも興味が沸いてきます。
3番目の石です。
ここの彫刻はペイントされていないので、絵を探すのに苦労します。
特に晴れて石が乾いている状態では、ほとんど識別できません。
案内板を見ると面白そうな図がたくさん紹介されています。
この岩こそペイントしてくれよと言いたかったです。
石をちょっと離れたところから見てみました。
角度がなく、ほとんど真っ平らです。
この石を巨大な氷河か何万年もかけてゴリゴリと削るところを想像するだけで感動でした。
ターヌムを代表する「太陽を引く馬」の絵です。
ほとんど分からないですよね。
私も博物館で場所を聞いてようやく確認することが出来ました。
これを見なくてはターヌムに来た意味がありません。
博物館に向かって歩き続けます。
遠くに見える赤っぽい屋根が目当ての博物館ですが…ここからが遠い!
意外と近くに見えるので安心してしまいましたが、歩くと遠かった…。
辿り着きました。
看板を見た時はホッとしました。
徒歩旅行だからこそ感じる達成感ですね。
民家みたいな博物館です。
博物館の中を紹介します。
ここには岩から写し取った拓本が壁に貼られていました。
こうやってみると、様々なデザインがあることが分かります。
海外から集めた岩絵の本です。
色々とあるのですが、なんとスイスのカルシェンナ資料までありました。
これを見たとき、博物館のヤル気を感じました。
この博物館では絵はがきや資料などが買えます。
道具について説明するために用意された歴代の「斧」です。
次の岩絵を見るために移動します。
この教会は道の交差点にあり、よい目印になりました。
周囲にはお墓があり、北欧の墓石に興味のある人は必見です。
なかなか古そうなモノもありました。
3qほど歩いて、ようやっと「vitlycke museum」にたどり着きました。
小高い丘の上に建てられていて、売店とレストラン、それと小さな博物館もあります。
ちょっと奮発して岩絵をモチーフにした絵柄のTシャツを買いました。
3000円くらい。
Sサイズを買いましたが、大きかったです。
博物館に置かれていたゴミ箱です。
岩絵をマネていて、そのユーモラスな絵に笑ってしまいました。
博物館をチラッと紹介します。
センスの良い館内に岩絵を説明するパネルや遺物が置かれていました。
博物館の裏手には青銅器時代の復元家屋が並んでいます。
中に入ると古い農家の匂いがします。
ここではヒツジを数頭飼っていて、逃がさないようにこの広場をグルッと囲っています。
VITLYCKE-HALLENA遺跡
博物館に一番近い岩絵を紹介します。
岩が巨大で、少し斜めに向いています。
案内板です。
この岩は絵に色がついているので探すのは簡単でした。
「狩りの仕方を教えるお父さん」
そんな風に見えます。
お父さんの方は髪を結い上げているのが分かります。
腰に刀を下げています。
男達の武器は槍と剣なのが分かります。
ちょっと面白い絵です。
大蛇に襲われそうな人間? それとも蛇使い??
人間の大きさと比べるとかなりの巨体です。
寒い土地にも大蛇っているんですね。
岩の上の方に有名な結婚式の絵がありました。
カメラの望遠を使って撮影しましたが、ちょっと見えにくいです。 左には二人を祝福する男(村の長)、右には向かい合う男女。
確かに結婚式をしているように見えます。
岩から染み出た水で村の長が見えにくくなっています。
船と船の間に●が並んでいます。
これは境界線をあらわしているらしいです。
この頃からもう土地を分けたり、所有しあったりしていたんですね。
ちょっと不思議な絵です。
独特の形をした弓を手に持ち、腰には長めの剣を吊しています。
身体には鎧でも付けているのでしょうか。
顔を見ると口元が飛び出していて、まるで鳥のようです。
面をつけ、儀式を行っている神官なのかもしれません。
正座をしているような人間を乗せた大型船です。
外人が正座をしていると思うと、ちょっと面白いです。
境界線を挟んで対峙する人たちです。
この丸を境界線とガイドブックには書いてありますが、「線」と「丸」は明らかに違うので、境界線じゃなく別の意味があるのかもしれません。
「TO THE CAIRN(石積み)→300M」の看板。
けっこう急な斜面を駆け上がってみました。
丘の頂上に石積み発見!
こんなところにどうして!?と思いました。
3000年前の青銅器時代に作られたそうです。
近寄ってみると漬け物石くらいの石が積んであります。
フィンランドにはよく似た石積み遺跡(サンマルラハデンマキ)が世界遺産に登録されています。
ASPEBERGET遺跡
案内板です。
巨大な一枚岩の上にたくさんの絵が描かれています。
博物館から15分ほど歩きました。
とても巨大な岩で、桟橋から観ることになるので遠い絵は見えにくかったです。
長い斧を振り上げた男たちです。
ひときわ大きく描かれているので族長かもしれません。
右の方に船が描かれているので、これからあの船に乗ってどこかへ攻め込むつもりなのかもしれません。
太陽に生えた木のシンボルです。
案内板の絵とは違いますが、これも目立っていました。
案内板に描かれていた「牛の行列」です。
ちょっと上の方にあるので見えにくいです。
胴の長い牛です
LITSLEBY遺跡
小さい遺跡ですが、描かれているモノは奇妙で面白いので遠いですが見に行って欲しいです。
桟橋の上から全体を見てみます。
それほど広くないことが分かります。
森の中、ひっそりとした場所にありました。
これが「ターヌムの巨人」です。
とても大きいです。そして威厳もあります。
手には長い槍を持っています。
太いふくらはぎが強さを表しているように思います。
もう一つ面白いモノがあります。
足跡です。
こんなに可愛くてハッキリした足跡はここだけです。
オマケです。
ターヌムヘッド(Tanumshede)にあるバス停です。
ヨーテボリ行きのバス停です。
ここは行き先ごとにバス停が違うので注意が必要です。




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