遺跡馬鹿−メキシコの遺跡と博物館


所在地 遺跡名  
メキシコ・シティメキシコ国立人類学博物館詳しい説明はガイドブックにお任せして、おもしろい目玉だけ紹介します。
見学コースに沿ってまわると最初は病理学コーナーです。
そこにはめずらしいものがけっこうありますよ。
  1. 脳ミソの化石ー灰色で丸い
  2. 奇形頭蓋骨ー前歯しかない頭蓋骨
  3. 奇形頭蓋骨ー頭がでかい
  4. 奇形頭蓋骨ー頭がボールのように丸い
  5. 奇形頭蓋骨ーひたいに大穴がある
  6. 奇形土偶ーー全身に皮膚病が広がっている
  7. 奇形土偶ーーせむし
第11室・北部の部屋に、大リーグに移った「野茂そっくりの土偶」が、バットを構えて展示されてます。
私はすっごく似てると思うのですが…。

おみやげ売場の充実もすごいです。
ゆっくり時間をとって見学したいところです。

メキシコ・シティテンプロ・マヨール

ソカロをブラブラし、カテドラル(大聖堂)の角を曲がった途端、遺跡がドーンと目に入ってくるのが嬉しいです。
柵越しに見学出来るので、お金を払って入場しようとする人が少ないですが、意外に奥深い遺跡なので、ちゃんと見学しましょう。
分かりにくい構造の遺跡です。
アステカ人は古い神殿の上に土を盛り、新しく神殿を築くので、何層にも神殿が重なり、発掘するのに手間がかかるのです。
初期の神殿跡にはいけにえの心臓を載せたといわれるチャックモールが残っています。色がまだ残っているので、双眼鏡で詳しく観察しましょう。
博物館には出土した月の神の円盤や土器など、豊富な展示物で充実度は高いです。
入口にはテノチティトランの神殿群模型があるので、これで当時の都の繁栄を偲ぶのもよいでしょう。
さてここの目玉は、二つあります。

その1、「CRANEOS HOMANOS」という、串刺し骸骨
直径4センチほどの棒をこめかみの辺りからグッと刺し、4つほど並べてから木の枝に掛けてあります。
ぽっかりあいた空洞がちょっと恐いです。

その2、「LUCHIUOS ROSTRO」という、石斧。
ユーモラスな顔してます。これがいくつか並ぶと可愛いです。

メキシコ・シティ三文化広場

あまり観光客がこないので、静かでのんびり出来る遺跡です。
ここはアステカ族がスペイン軍に対し最後の戦いを挑み、敗戦した場所です。
メキシコ・シティグアダルーペ寺院
(遺跡じゃないけど)
祭壇の右側から後ろに回り込むと聖母が浮き上がったマントが額に入れられて飾ってあります。見学するにはベルトコンベヤーのような遊歩道に乗って、一瞬通り過ぎるという感じで行います。
これだとじっくり観察出来ないので不満も出ると思います。
そんな人は地下につくられたみやげ物屋へ行くことをオススメします。
あの三人の姿が映っている写真もみやげ物屋にあります。
このみやげ物屋はレアなアイテムが揃っているので、教会グッズが好きな人にはたまらないところです。
私はここで「聖母イラスト付き目覚まし時計」を買いました。
マグカップもありますよ。
ティオティワカンティオティワカン

とにかくメキシコの遺跡と言えばここです。
多くの観光客で賑わってました。
紀元前2世紀にこのピラミッド群は建造されました。
とにかく広い。入口からケッアルコアトルのピラミッドを見て、太陽のピラミッド、月のピラミッド等々、見終わる頃にはクタクタです。
私は運動不足がたたって、翌日は筋肉痛に悩まされました。
規模も大きく、満足度は高いけど、修復しすぎが気になりました。
太陽のピラミッドの裏側はまだ未修復で、昔の面影残ってます。

ケッアルコアトルのピラミッド前でメキシコの友人が印象深いことを言ってました。
頭しか見えていないけど、壁の向こうに胴体があるんだよ。 さすがメキシコ人! 発想が違う。

チチェン・イツァチチェン・イツァ

制作中
メキシコ・シティトゥーラ

メキシコ・シティのバスターミナルから約2時間で到着。そこから更に30分歩くと遺跡の入口に着きます。
有名な戦士の像が見えてくると、心ウキウキですが、本物は2本だけであとはニセモノです。
ふんどし姿の戦士はおしりがキュートです。
後ろ姿の写真も忘れずに撮っておきましょう。
戦士が握っているモノはレーザー銃だという説があります。
トルテカ文明の時代に銃があるのは変ですから、これは宇宙からやってきた神をかたどった神像だと説明しています。あなたはどう思いますか?
その他の見所は壁に彫刻された戦士やいけにえの図などのモチーフです。
これをみるだけでも軍事的な国だったことがわかります。
グアナファトミイラ博物館
(遺跡じゃないけど)

最近、内装を綺麗にしてしまったので、あまりオドロオドロしくなくなったのが残念。
また見学も案内人の後ろについてゾロゾロ進むので、一人でビクビクしながら見学するわけではないので、更に残念。
ガラスケースに入ったミイラは清潔感いっぱいで、いまいち。
でもケースの隅は通気用に穴があいているので、ニオイを嗅ぎたい人は、ここに鼻を近づければ、バッチシです。
門前市にはミイラグッズが盛りだくさん。
私もいっぱい買いました。
気に入っているのは棺桶に入ったミイラのキーホルダー。
棺桶にそれぞれ「よっぱらい」とか「おかま」とか下品な贈り名が彫られています。
絵はがきもあります。もちろんミイラの。
エルタヒンタヒン

紀元600年から900年にかけて最盛期を迎えたエルタヒン文化はトトナカ族がつくりあげた文化です。
ここの見所は6層の壁龕ピラミッド。
小さなほこらが一面についていて、アジア的なデザインになっています。
他のピラミッドもなかなか大きく、地味ながら存在感があります。
入口近くの広場で「ボン・ボン」という軽快な太鼓の音で人を呼び、
観光客が集まると、ブラリ〜と、回転が始まります。




  遺跡馬鹿−グァテマラの遺跡と博物館


所在地 遺跡名  
グァテマラ・シティ国立考古学民族博物館

ティカルへ行こうと思っている人はまずここで簡単な情報を集めていくといいでしょう。
そつない展示が好感を持てます。

見所は頭蓋骨に直接彫刻を施したものやワシャクトゥンの出土物でしょうか。



また人物二人が向かい合って言葉を交わしあっているような彫刻が施されたイスは綺麗ですよ。
場所がちょっと不便ですが行く価値あります。

グァテマラ・シティポポル・ヴフ博物館非常に場所が分かりずらく、あんな洒落たビルの中にあるとは思いませんでした。
ここの目玉はまず博物館の名前にもなった「ポポル・ヴフ」現存するマヤ写本です。
マヤ文書はイチジク科の樹皮で作った細長い紙に描かれ、化粧しっくいで薄く上塗りされ、アコーディオンのじゃばらのように折り畳んであります。
私の印象では灰色のボール紙といった感じです。

「ポポル・ヴフ」とは、マヤ=キチェ語で「評議の書」という意味で、キチェ族の首長が集会の際にこれを参考にしていたことからそう呼ばれているそうです。
もう一つの目玉は、異様に大きく、妙にリアルな骨壺です。
特に骨壺の装飾についている口から人が出てくるデザインや壺にたくさん描かれた骸骨、口の裏側までシワを刻んでリアルさを追及しているものなど、遺跡から受ける「白い」イメージがここで黒く塗り替えられるようです。
アンティグアラ・レコレクシオン教会
サンフランシスコ教会

1773年の大地震により廃墟となった教会。
ポーンと天井が抜けているのがなんとも気持ちよい。
ティカルティカル

あまりにも有名なので説明パス。

個人的に好きな場所は「7つの神殿の広場」。ここはごちゃごちゃしている神殿群のなかでスコーンと抜けた開放感があり、また緑の地面にこもれびが差し込んでとても綺麗です。
体力のある人は未修復の3号、5号神殿も登ってみよう。自然が持つ生命力に圧倒されるでしょう。

フローレス島は昔「タヤサル」と呼ばれイツァ族が支配していた。1696年3月13日早朝、スペイン人により陥落し、マヤの地の征服が成し遂げられた。


  遺跡馬鹿−ホンジュラスの遺跡と博物館


所在地 遺跡名  
テグシガルパホンジュラス国立博物館

ちょっと分かりにくい場所にありますが、時間がある方は是非足を運んでみて下さい。小さな屋敷を改造して民族衣装なども展示してあります。
近くの「ラ・コンコルディーア公園」にはマヤの建物を再現したコンクリート製の作り物が敷地にドコドコッと置いてあります。
登ったり出来ませんが、暇な人、ついでにどうぞ。
コパンコパン

世界遺産にも登録されている、ホンジュラスで一番のマヤ遺跡。
「TBS世界遺産」で最初の王の神殿が発見されたと報じられたので、興味のある人も多いでしょう。
グァテマラから山越えしてきた人には、静かで小さな町が気にいるはず。
土産物も少ないし、なにより遺跡まで歩いていけるのが嬉しいです。
憧れの「神聖文字の階段」。
ついにここまで来れたか…と、感動。
高く聳える階段中央に縦に一列、人物が座っています。双眼鏡を使って一体づつ、観察しましょう。
コパンと言えば広場に林立している「ステラ」でしょうね。
目が切れ長なので「中国人」という学者もいます。
私からすると「モンゴル人」に似ていると思いましたけど。
「果ての文化」という言葉を私は作りました。
そのこころは「流れてきた文化が行き止まりにたまると、そこにはオリジナルを遥かに越えた文化が花開く」です。
コパンはマヤの文化圏から言うと一番南の端っこです。
そこにこのステラを代表とする「高浮彫り」の華麗で立体感のある造形美があふれています。

マヤ文字や神像、祭壇等々、職人の心が時を越えて私たちに感動を与えてくれます。
時間があれば「セプルツーラ」へも足を延ばしてみて下さい。
あんなに華麗に神殿を飾った人々も住居に関してはとってもシンプルです。
耳をすますとマヤ人の声が聞こえそうです。
コパンから首都テグシガルパへ行くには朝4時発のバスがあります。(こんな時間しかないのです。早起きはつらい)
こんな時間ですから、バス停は真っ暗。
バスの中も真っ暗。星が綺麗でした。




  遺跡馬鹿−ニカラグアの遺跡と博物館


所在地 遺跡名  
マナグアニカラグア国立博物館

とっても小さく簡素な博物館。
誰も行かないだろうけど、一応説明を。
カテドラルの裏道をまっすぐ東へ行くとやがて城壁のような建物が目に入り、その辺が博物館です(いい加減ですいません)。
第一室は動物の剥製、第二室は土器がちらほら。
目玉1は剥製コーナーの「ケッツアルコアトル」。
実物を見られなかった方はここで剥製をどうぞ。
目玉2は変な人物石像。後頭部に巨大な洗濯板を乗せられ、頭がめり込んでしまったというような状態の姿。
博物館の裏にまわって復元建物を見て、それが梁を支える柱だと分かりました。




  遺跡馬鹿−コスタリカの遺跡と博物館


所在地 遺跡名  
サン・ホセ国立博物館コスタリカと言えば「オーパーツ」の代表「あの丸い玉」でしょう。
1930年代初頭にバナナ園を開墾しようとしてこの地にやってきたアメリカ人がこの石球の存在に気づき、やがてその存在が知られるようになると金持ちや好古家たちに売られたりしたそうです。
中に黄金が入っている噂などもたち、割られる石も多かったそうです。
博物館には割られてしまった石も展示してあります。
ちょっと悲しい展示品です。

博物館の中庭に石球がゴロゴロと無造作に置かれています。触ってもおこられないので、頬ずりしてみましょう。
愛が生まれます(笑)。
しかし、この「まんまる」はどうやって創り出したのでしょうか。
ウロ覚えですが、ボールペン会社の人がこの石を調べたそうです。
なぜボールペンかというと、ペン先にボールが入っているでしょ。
あのボールを作るのは結構大変なことなのだそうです。
ボールの粗形を他のボールたちとグルグル機械のなかで回して「丸さ」を出すのが現在のやりかたです。ではコスタリカの石球は?
定説によれば、石球の製作者は紀元300年から800年にかけてこの地方に栄えたディキス石器文化人ということになっているそうで、天体模型説が有力だそうです。

他の展示物での見所は、石製粉ひき台。
とにかくこだわりの一品が多い。
裏に凝った彫刻がほどこしてあったり、形じたいがジャガーを真似ていたりと、興味を引くモノが多かったです。

日本大使館の近くの高級住宅街でも石球を見ることができます。
庭石にしてました。もちろん本物。
みやげもの屋で石球のみやげを探したけどめぼしいものなし。

サン・ホセ黄金博物館とかげや蜘蛛、蛇など、コロンビアから出土する黄金製品によく似た品々が山のように展示されています。
入口にパンフレットやコピー商品が売られていますが、ちょっと高いのが残念。
町中でもコピー商品買えます。
サン・ホセヒスイ博物館探して下さい。丸々太ったスズメのヒスイ像。笛として使われていたようです。
もう一つ、煙草を吸う人々。




  遺跡馬鹿−パナマの遺跡と博物館


所在地 遺跡名  
パナマ・シティ文化人類学博物館マヤ文明とは異質な文化があったようですが規模は小さいようです。
黄金の装飾品もありましたが、コスタリカで見たものと似てました。
まだこれから調査が進むのではないかと思ってます。
パナマ・シティパナマ・ビエホ

1519年にスペインがこの辺を統治するために築いた町です。
1671年に海賊ヘンリー・モーガンの攻撃を受け、破壊された跡は放棄され、廃墟となりました。
あまり観光客はいないので静か…と思いきや、地元の小学生の見学グループがいくつも来ていてとてもにぎやかでした。
中米や南米を旅する旅行者にとって「スペイン」って親の敵のような存在。
いくつもの文明を破壊し、略奪し、占領した…。
だからこそ、この遺跡へ来ると妙に生々しい。
欲望渦巻いていた頃が目に浮かび、当時の声が聞こえてきそうです。
栄枯盛衰を肌で感じる貴重な遺跡です。
パナマ・シティミラフローレス水門
(遺跡じゃないけど)
パナマと言えば「運河」。
10年の歳月と3億8700万ドルの巨費を投じて作られた、人類のバカぢから的建造物。
パナマ・ビエホを見た後、ここへ来ると人間は破壊するだけではなく、創造することもまた出来るのだと本当に実感させられました。
大きな船にお金持ちを一杯のせて、豪華客船が目の前を横切っていくとき、「神様って不公平」とつぶやいたのは私だけじゃないはず!

(右の船が運河の水抜きによって、すっかり沈んだところ)

パナマ・シティフランス広場
(遺跡じゃないけど)
タイムマシンに乗って未来の世界を見せられた感じです。
振り返ると古びたコロニアルの建物が建ち並ぶ。
だが前の海には遥か向こうにそびえ立つ摩天楼が霞んで見える…。 「あっ!!」と、声が出た景色です。


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