遺跡馬鹿−コロンビアの遺跡と博物館


所在地 遺跡名  
ボゴタ黄金博物館「黄金ジェット機」というオーパーツが展示してあるのがここです。
この黄金製品はコロンビア北部のシヌー地方TOLIMAで発見され、その形が現代の超音速ジェット機に似ていることから、当時の人々はすでに空を飛ぶ技術を持っていたという説が生まれました。
ワクワクと期待度100%で行くと、ガラスケースの前でガクッとひざが折れるでしょう。
思ったより小さいのは仕方ないですが、展示の方法がマズイ。
まず向きが悪い。ピアノ線で吊され、真横しかみることが出来ない。
できれば隣にジェット機の模型でも置いて似ていることを強調してほしい。
思い入れタップリで見に行くとちょっとがっくり。
でも黄金製品じたいのすばらしさは変わりません。
私の説では「ワニ」の誇大変形じゃないかなと思います。
ロマンのない奴ですいません。

ここの目玉は「MUISLAの黄金の船」でしょう。キラキラと目にまぶしいデザインです。
あと「黄金の部屋」かな。
「まいりました」と声が出ます。
これら黄金製品の作り方は、蝋で型をつくって粘土で多い、それを熱して蝋を溶かし、そこに金を流し込んでつくる『失蝋法』という技術が使われています。

失蝋法(しつろうほう)(蝋型法 lost wax process)

    蝋で型を作り、これを泥や石膏でつつみ、焼くと蝋が溶けて流出し、型の 空間を持った鋳型ができます。
    この鋳型に金を流し込んで製品を作ったそうです。

    この蝋について調べてみました。

    蝋にはミツバチが作る蜜蝋が思い浮かびますが、他にも植物からできるものや昆虫からできる蝋もあり、蝋とは多種多様の物質なのです。
    そのなかでもアンデスで利用されたのではないかと思われるものにカルナウバロウがあります。
    これはブラジルなど熱帯南アメリカに産するロウヤシの葉から分泌されるものです。

    ロウヤシ(平凡社・世界大百科)

    ヤシ科の高木
    幹は高さ10〜13mとなり、基部はややふくれている。
    葉は掌状円形、径1〜1.5mで深裂する。
    裂片は60個ぐらい、線状披針形で先端はとがる。
    葉柄は長く、葉の表面は白色の蝋で覆われている。
ボゴタ考古学博物館私のお気に入り
NALINO出土の鉢ーナスカの地上図に描かれている蜘蛛と同じ絵が描かれてある。
QUINBAYAのナマケモノ土瓶。
CALIMAのダブルいぼガエル。
これから行く人は是非見てきて下さい。
ボゴタ国立博物館昔は刑務所だったところなので、十文字形の造りになっています。
おすすめは「ティエラ・デントロ」など、コロンビア各地にある墳墓の復元模型でしょう。
この地域は中南米のマヤ・アステカなどや南米のインカ等の影響をほとんど受けていないので、とても独特です。
特に死生観を意識させるものが多いのが特徴でしょうか。
それと日本ではあまり知られていない「タイローナ遺跡」の完全復元模型をみることもできます。
私も行きたかったのですが躊躇しちゃいました。
行った方がいましたら、メール下さい。
サンアグスティン考古学公園

サンアグスティン村を中心に広い範囲に渡って石像や遺跡が点在しているところです。
これらの遺物は紀元前から9世紀頃までに造られたものですが、先住民たちの文化についてはあまりはっきりしていません。
石像群はどれもユーモラスな表情で「どうせ作るなら楽しいほうが良い!」という製作者の声が聞こえてきそうです。
多くの遺跡は墓として使われたものです。
多くの石を並べたり、積み上げたりと、どれもデザインが奇抜で見ていて飽きません。

お気に入りは「ラバパタスの泉」です。小さな渓流に橋をぐるりと掛け、橋上から岩盤に彫られた水路やヘビ、トカゲなど動物達の彫刻を見ることができるようになっています。
水占いに使ったのかな? なんて私は思ってます。

サン・アンドレス・デ・ピシンバラティアラ・デントロ

秘密にしておきたい遺跡。
サンアグスティンを朝出ても、次の日の昼にようやく村までの分岐点にたどり着けるという秘境。行き方は近日公開。
ここの遺跡の見どころはずばり地下墳墓です。
この村は山ひだがせめぎ合う狭い土地。
畑は小規模で多くの人口を抱えることは出来ないところです。
そんな所に装飾地下墳墓がいくつも作られているのです。

足元の扉を開けると螺旋階段が地下へと伸びています。
一段一段の高さがかなりあり、湿気で滑りやすくなっています。
ゆっくり降りていくと、やがて朱と黒と白の顔料で描かれた地下の世界があらわれます。
日本で言うと、九州のチブサン古墳に似ています。
多くは鉄格子で封鎖されているので中に入ることは出来ませんが、入ることの出来る墓で一人、光量の弱い懐中電灯だけで立っていると、「伊邪那美神が鬼と共にいた部屋」に自分も紛れ込んでしまったような気になってきました。
その他、アグアカテという、山の尾根にずらっと作られた墳墓群も見晴らしも良く、埋葬される方にしたら最高の環境です。
でも墓参りする方はきつい山登りでクタクタですが。



  遺跡馬鹿−エクアドルの遺跡と博物館


バルディビアの土器を探し回りました。


所在地 遺跡名  
キト考古学博物館この国でようやくインカの遺物が登場。
雷さまが大爆発したようなTOLITA文化の金の頭かざりが印象的でした。
キトカトリカ大学付属博物館バルディビア土器を探して偶然見つけた博物館です。
土器はなかったけれど、アマゾン流域の少数民族の写真や生活用品などが展示してありました。
インカの未開封ミイラや無地の土肌に目、鼻、口がかろうじて分かる程度に着いている変な土器もありました。
カトリカ大学に潜り込んでカフェテリア行きました。
安くてオススメです。
キトグアヤサミンのアトリエ場所が分かりにくいのですが、高級住宅街の中にあります。アトリエといっても優雅な建物です。
個人で集めた先住民のおわんや土偶、などなどたくさんあります。
でもバルディビア土器はありませんでした(残念)
グアヤサミン氏じたいの作品も強烈で、かび臭い遺跡マニアにはまぶしい刺激でした。
クエンカインカの遺跡

私にとってはじめてのインカの遺跡でした。
感動で心臓がバクバク鳴りました。
ものすごく小さいのですが、インカらしい建物です。
インガピルカインガピルカ

エクアドルに残る最大のインカ遺跡。マチュピチュの太陽の神殿と同じ様な曲線を持つ城壁がとても美しいです。
当時は交通の要所だったそうですが、今は主要道路からもはずれているので、なかなか訪問するのが大変です。
ガラパゴスガラパゴス諸島
(遺跡じゃないけど)

エクアドルへ個人で来ていてお金のある方は是非、行ってみて下さい。
現地で手配してだいたい4泊5日(船泊まり・食事3食)で800ドル(安いツアーの場合)くらいです。
動物たちも可愛かったですが、バートロメ近くの溶岩流の台地を歩いた時、溶岩が 備前焼のように焼けただれていて、とても美しかったです。
ガラパゴスといえば「ゾウガメ」ですよね。
昔、WWW(世界自然保護基金)で「ガラパゴスの守り人」という寄付を募っていたとき、募金してステッカーもらったのが嬉しくて、ぜひガラパゴスへ行って援助してあげたゾウガメに会いたいなと思ってたのが実現できて嬉しかったです。



  遺跡馬鹿−ボリビアの遺跡と博物館


所在地 遺跡名  
ラパスティワナコ博物館

ティワナコ遺跡から発掘された遺物やチチカカコ近辺で出土した発掘品も展示してあります。
儀式用のコップ「ケロ」やインカ時代のブロンズ像、ラパス出土の人面付き土器など、変な顔の付いた土器が多かったです。
ここの目玉はチリパで出土した、奇妙なレリーフ。
現代アートのように大胆なデフォルメに「おお〜」と声が出ます。
もう一つの目玉は2階天井のステンドグラスです。
とっても素敵です。
ラパス野外博物館博物館となっていますが、野外にあるので勝手に見学できます。
ティワナコ遺跡にあった石像が展示されています。
なぜここに運んできてしまったのかと悔やまれますが、こんな町中で見るのもまたオツなものかと思います。
ティワナコティワナコ

ボリビア最大の遺跡。
ボロバスに乗って高原を走ってゆくと、まずピラミッドが目に入ります。
とても広い遺跡で、見所も豊富です。
博物館も併設されているので、簡単な知識も得られます。
詳しいことは「遺跡の秘所ひしょ話」で。
コパカバーナプレ・インカの遺跡

ラパス方面の道を上がり、教会の越えたあたりに、プレ・インカの遺跡が残っています。
大きな石にイスのような切れ込みがある、このあたりで良く見かけるタイプの遺跡で、ガイドのおやじが説明するには、当時の人はここで座禅を組んでパワーを得ていたそうです。
石の上には水を流すための溝が残っています。
コパカバーナ太陽の島日帰りも出来ますが、あえて一泊しました。
島の北側をガイドと廻ります。
まず、山道の入口にインカの門が残っています。わざわざコパカバーナから運んできたそうです。
次にビラコチャが彫られている岩を案内されます。
でも風化がひどくて確認できませんでした。
そして最後はインカの遺跡跡です。
山の斜面を利用して上手に石が組まれています。
小部屋が多いので、見張りに立つ兵士の宿舎かとも思いましたが、壁面のジグザグとしたデザインに、特別な意味を持つ建物なのかなとも思いました。
日帰りツアーだとこれで終わりで、島の南側に船を着け、観光客を拾ってコパカバーナに戻ります。
私はここで一度船を降り、子供の客引きに付いていって宿を取りました。
荷物を置き、もう一つのインカの遺跡へ。
ここも山の斜面を利用した造りになっていて、2階建てとなっています。
管理人が言うには、昔は部屋の真ん中に穴が通っていて、それは月の島に通じていたそうです。
「今は埋めちゃったけどね」と、言ってました。
船着き場の近くに一年中、水量が変わらないインカの水汲み場が残っています。
水源も謎のままです。
今でも村人がリャマに壺をくくりつけて水を汲みにきます。
ポトシ旧国立造幣局 昔の造幣局。
ガイドに付いて見学します。
屋敷内には当時のばかでかい機械が今も展示してあります。
また、ポトシ周辺で取れる鉱物の標本とか、遺跡から出土した土器やミイラも展示してあります。
ポトシパイラビリ銀山観光
(遺跡じゃないけど)
ポトシは昔から銀が有名です。
多くの人が銀山での収入で生計を立てています。
勝手に見学することは出来ません。ツアーに参加して見学することになります。
恐いのは銀山で働く鉱夫たち。コカの葉を噛みながら10時間もぶっ続けで穴を掘り続けるということで、皆、目が異様に開いてました。
掘った土は2週間で10tにもなるそうで、それを全部自力で外へ運び出すそうです。



  遺跡馬鹿−チリの遺跡と博物館



所在地 遺跡名  
サンチャゴ国立博物館

チリの国立博物館は以外に訪れる人が少ないので、時間のある方は是非、行ってみてください。
ここの目玉は、イースター島の文字「ロンゴ・ロンゴ文字」が彫り込まれている、「木」です。
「ロンゴ・ロンゴ文字」はまだ解読されていない謎の文字といわれています。
サン・ペドロ・アタカマサン・ペドロ・アタカマ博物館

「ミス・チリ」と呼ばれる女性のミイラが目玉です。
意外に小さいのですが、豊かな黒髪が今での残っています。
このあたりは壺などに入れて遺体を葬ったようで、日本の甕棺墓に通じるものがあります。
イースター島イースター島博物館

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  遺跡馬鹿−アルゼンチンの遺跡と博物館


所在地 遺跡名  
カラファテプンタ・グアリチョ

これはニセモノ

ニメ湖に沿って、遥か彼方の岩山を目指し、道なき道を行くと、原住民が残した壁画があります。(片道2時間近く)
入口に喫茶店があるので、歩き疲れたなら食事も取れます。
私がオーナーに「歩いてきた」と言ったら笑われてしまいました。
しかし公共のバスもないので、仕方ありません。
この喫茶店の片隅に、インディアンが住んでいた頃の写真が飾ってあります。
アメリカインディアンとはひと味違う印象を受けました。
遺跡はまず本物そっくりの「ニセモノ」がズラズラと並び、「おちょくってんのか?」と、怒り爆発。
本物は一番奥の岩穴に描かれています。
フェンスが張られ、近づいてみることが出来ないので双眼鏡は忘れずに。
朱色にかたどられた手形が岩肌にいくつも押されています。
今から4000年前のものだそうです。
カラファテペリトモレノ氷河
(遺跡じゃないけど)
氷河というものを一度は見たくて、この町まで来ました。
雨がざーざー降って、非常につらい待ち時間でした。
しかし雨のお陰で、ものすごい大きい壁が目の前で「ズズ〜ン」と崩落し、大感激でした。
「氷河の青」はとっても不思議です。
水の成分が溜まったものだと聞きました。
あまり自然に興味の私でも感動しました。


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