遺跡馬鹿−デンマークの遺跡と博物館


所在地 遺跡名  
オールボー

(デンマークの北)
リンホルム・ホイエオールボー駅前のバスターミナルから市内バスで40分くらい。
住宅の脇にある丘を登っていくと、突然視界が開け、殺風景な丘の上に小振りな石で作られた墓があらわれます。
みんなお墓。
お墓大好きな人にはたまらない聖地です。
遺跡見学だけなら無料。
そばには喫茶室をそなえた博物館(有料)もあります。


この遺跡は5世紀から10世紀頃まで使われ、700人がここに埋葬されました。
丘の頂上付近の墓がもっとも古い時代の物です。
初期の頃は土葬でしたが、やがて火葬による埋葬となり600個の墓は火葬です。
火葬墓は石で囲まれています。
その後また土葬に埋葬方法が変わり、それらの墓は丘の麓にあります。

    

この遺跡の特徴は埋葬当時の墓の形が良く保存されていることです。
好き勝手な形をしているように見えますが、5つのタイプに分けられます。

★博物館にあった模型で説明★
  
石を組み、薪を乗せる。
そこに遺体を乗せ、一気に燃やす。
土を上に被せる。

墓を発掘すると燃えた人骨や割れた土器くらいしか出土しないのですが、時々、美麗な装飾品が見つかることもあります。

細長い魚のような装飾品は博物館内のミヤゲ屋で模造品が買えます。
シルケボー シルケボー博物館
















私を震え上がらせた、かなり怖い博物館。

こじんまりとした博物館ですが、パネルや模型、そして出土物の豊富さで、かなり見応えがあります。


★博物館の目玉は、泥炭地で発見された2000年前の黒いミイラです。
「眠れる黒いミイラ」はイメージしていたより小柄で、皮膚が黒く染まっている以外は、干からびたおじいさんが縁側でうたた寝しているようにも見えます。
これが2000年前のミイラとは…泥炭地おそるべしです。
指の肉は落ちていますが、足指はキレイに残っていて指紋も確認できます。

首をざっくり切られていて傷口が生々しいです。
頭には帽子、腰には皮ベルトだけで、沼地に捨てられたようです。
←生きていた時はこんな格好で生活していたそうです。


★怖すぎる!
当時の生贄の様子を再現してある部屋があります。
犬の遠吠えが響く薄暗い部屋の中、天井から麻袋に入れられた人間や動物たちが数個も吊されています。
足下には綱が切れ捨て置かれる麻袋の生贄たち!
また展示されている人骨はどうやら手を縛られ、首を切られているようです。
いろいろ博物館は見てきましたが死臭まで感じさせてくれたのはココだけです。

★併設カフェ★
素敵な北欧デザインの家具に囲まれ、お茶するコトが出来ます。
手作りのスイーツも美味しいです。
←美味かったです。

壁の彫刻も必見です!
先祖たちをイジメるローマ兵がテーマになってます。
皮肉もセンスに溢れています。

オーフスモスゴー博物館
Moesgard Museum









かなり省略されているが人の姿をした杭。
生贄を捨てた池の側に立っていたらしい。
←博物館を正面から見た所です。
博物館は奥の白い建物ではなく、手前左手の建物です。
建物の右手裏は広大な遺跡公園になっていて、下のような様々なタイプの墳墓を見学することができます。

左手=正面から羨道をのぞくことができます。狭いです。
右手=バイキング式の墓。


この公園には4kmほどの散歩道があります。
デンマークの古民家を移築した休憩所もあります。
ただ雨の日はドロと化した道の上に黒いナメクジが出現し、あなたの足下をおびやかすので注意が必要です。


【館内パネルの様子】

北の果てですが、こんな土器を作っていました。
どちらも石器時代の頃です。



↓墳墓の模型です。ジオラマの技術はなかなかです。
形はアイルランドの「ニューグレンジ」にちょこっと似てます。



【黒いミイラ】
紀元前600〜800年頃に生きていた人です。
顔が怖いです。ノドをパックリと切り開かれているので、傷口から口の中が丸見えになっているという恐ろしさ。
本で見た時、身体に不自然な”ねじり”があり気になっていたのですが、実物を見ると「なるほど、こんな風に折られていたのか!」と納得することができました。
地元の人はあまり感心がないのか、チラっと見て去っていきます。
茶色くなった髪の保存状態がとても良いです。
イェリングイェリング墳墓



駅前古墳!
目の前にドンとあるので迷うことがありません。

★全体像
元々ここには巨石を並べた舟形墳墓がありました。
後年、その列石の上に土が盛られ墳墓が作られました。
古墳を作った人たちは列石を壊さず、その上に丁寧に土を盛ったため、当時の墓の様子がそのまま発掘で出土しました。
右手に見える石の列がその断片です。


石のサイズは1m程、自然石を加工せずに並べてあります。
見どころは石の色が様々で、配置にも気を配っていたように思います。

  

下右手の石には彫刻が彫ってあります。
デンマーク最古のキリスト浮き彫りで、模写が博物館に展示されています。

古墳の頂上に上がることが出来ます。

イェリングイェリング博物館

北欧らしいシンプルな外観の博物館。
1階はショップとカフェテリア。2階が展示室となっています。
展示内容はイェリングの石に描かれていたルーン文字の解説や彫刻の説明などが、おしゃれな感じで展示されていました。

写真の中央は石碑で、ここにルーン文字が描かれています。
薄い布に各地から出土した石碑を印刷し、間仕切りかわりに垂れ下げています。
これがなんか雰囲気良かったです。

上の方で掲載した三角形の石に彫られているキリスト像が↓これです。

ケルトちっくな縄模様に縛られるキリストですが、キリストの顔の稚拙さと対照的に縄の計算された美しさは素晴らしいです。
しかし今は風雨にさらされ色は残っていないのが残念です。

【その他おすすめ】
銀製のカップ。北の墓より出土したモノですが、上品でとてもキレイです。

ロスキレヴァイキング博物館

5艘のヴァイキング船が展示されています。
と言ってもボロボロで往時の面影はないのですが、それでも威圧感がありました。
当時の船の様子がよく分かります。
海水に浸かっていたため、木の状態はとても良いです。




展示室ではヴァイキングがどんなことをしていたのかが赤裸々に展示されています。
ヴァイキングに殺され身体をバラバラにされた子供の骨とか、かなりショックな内容も。
その他、昔の衣装を自由に着て復元船で写真を撮れるサービスもあります。
もちろん無料。
私は当時の鉄仮面をかぶってみましたが、めちゃくちゃ重いし、下向くと落ちてくるし、これをかぶって闘うのは無理だと実感しました。

おみやげ売り場は充実していて、ヴァイキング風アクセサリーも買えます。

博物館の周囲はヴァイキング村のようになっていて、ヴァイキング船の製造と試乗、当時のアクセサリーを復元する工房などがあって、ぶらぶらと見て回るだけでも楽しいです。

コペンハーゲン
考古学博物館

【太陽の馬】


【Solhesten The Sun Horse】
この博物館のシンボル。
1100-500BC
太陽を引っ張る馬です。
沼地で発見されたというブロンズの馬。
均整の取れた美しさ。
太陽を引っ張るというモチーフはこの時代としては斬新だと思いました。
しかし良く見ると馬は車輪の上に乗っているので、太陽を引っ張れないと言うオチ。

入り口ホールは吹き抜けで開放感があります。
奥のショップではおもしろいお土産が買えます。
アクセサリーも充実していますが、ちょっと高めです。

ここはとても広く、建物の構造が複雑、そして展示物の量がハンパではないので、私でも途中で音を上げました。
食事する場所はありません。

【入り口の見どころ】

←ドンドコ・ドンと並んだ石碑がウエルカムしてくれます。
石好きにはたまらない演出ですが、どの石にもルーン文字が彫られ、このホールだけでもお腹一杯のボリュームがあります。

→これはめずらしい。
木の棺に埋葬された人。
時代は紀元前1370年。
少女のミイラです。
一本の木をくり抜き、内側を火で焼いてあります。

   ←バルト海は琥珀が豊富に産出する証拠。
大きくて深い赤の琥珀がたくさん取れたみたいです。
表面がキレイに磨かれていて、とても石器時代の人が作ったとは思えないです。
琥珀は赤以外にも黒などあり、大きいものだと30センチを越えたりします。

→デンマークのドルメンです。だいたい3000年前のもの。
大きくて自然石を加工せずそのまま乗せてあります。
昔は土など盛られていたんじゃないかと思います。

解説を見ると、デンマークのドルメンはドルメンのまわりを石で囲む形が多いようです。
お墓には「斧」を副葬してある場合が多く、これは「闇の力を抑える」という意味も合ったそうです。
初期のドルメンは一人用として使っていたのですが、やがて羨道を長く作り多人数用に変化したそうです。
遺体と一緒に素焼きの土器が供えられていますが、道具や武器の精緻さに比べ質素で、この極端な美意識が面白いです。
  

↑デンマークの宝。銀の巨大カップを分割して撮してみました。
銀を打ち出して神々の姿を描いています。
ちょっと残酷な場面もあったりして、北欧の神様は厳しい性質なのだな〜と思いました。


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